吉相の家は庭から大地のパワーを取り入れる

吉相の家は庭から大地のパワーを取り入れる

庭という言葉は敷地の建物が建っている残りの部分を指すことが多いのですが、ここでは敷地の中に設ける憩いのスペースとしての庭とその正体について紹介します。

庭は敷地の一部

敷地の形をもとに家屋を建てる部分を決めますが、残る部分がすべて庭になるわけではありません。
都市部を中心とした不動産業では、敷地の家屋以外の空いている部分を「庭」と言っていることが多いのですが、これは敷地が狭いためにそう言わないと「庭が無い」ことになるためです。
本来の庭は、門から玄関へのエントランス部分や駐車スペースや物置のほか、家の周囲のメンテナンスをするためのスペースなどは、庭と別に考えて計画します。
エントランスや駐車スペースの他に庭を造る余裕がないときは、芝を貼って通路や車輪の轍となる部分にウッドブロックを組み合わせて多目的な庭を計画することもできます。

植栽も庭と独立して計画する

また、日除けや目隠しのための植栽や、防風や防雪のための屋敷林も庭とは別に計画します。
植栽としての樹木は、敷地の周辺に、植えることになりますが、塀がある場合は、塀と植栽との間に通路を確保することです。
これは植栽と家屋との間にも言えることで、樹木と家屋の間に人が通れるスペースを空けるようにします。
このようにすると、通風や日照が確保できることに加えて、木陰に人が潜みにくくなるので防犯上も有利です。
まt、植栽をすると、「塀と樹木、樹木と家屋」の間に空間を取れない場合は植栽をせずに、塀側に背の低い草木を植えることを考えましょう。
そして、余程広い敷地を除けば庭は家屋の東南・南・南西に設けることになります。

庭の用途は二つ

庭の用途は二つあります。
一つは見て楽しむための庭、もう一つは自分が中に溶け込んで楽しむ庭です。
しかし、この二つの用途は必ず満たしていなければいけないというものではありません。余程敷地が広くない限り庭のスペースは限られるので、小さな子供がいる場合は芝生を敷くなどして、中で子供と親が溶け込んで楽しむスペースとしましょう。
また、花壇などを大きく作れば見て楽しむことが中心の庭となります。
庭は、生活する人ともに変化しています。
若い夫婦が芝生で子供を育てた庭も老夫婦になれば盆栽置き場に変わります。
そのためには、大きな石や池を作ってしまうと、人の変化に庭を合わせることが難しくなります。
大きな石や池は庭園と呼べるような庭を創れる場合のものと考えましょう。

庭は生き物であり、住む人をも活きかす

大きな石や池は庭を改装しにくくするだけでなく、庭の一番大事な要素である「生気を住人に与えてくれる」こと、「人間が大地のパワーを吸い込む」力を弱めてしまいます。
大地は生き物なので、石と池を始めとして、コンクリートやレンガを敷き詰めないようにすることです。
カーポートもコンクリートはできるだけ車輪の通るところだけにして、エントランスもコンクリートで敷き固めないようにします。
また、玉砂利を敷き詰めるのも良くありません。
京都などの寺院で見かけて真似たいと思うかもしれませんが、寺院と神社は別格ですので、普通の家庭で真似てはいけないのです。
庭は、土を塞がないようにして、大地の気を充分に敷地内に満たして、住まう人が気を享受できるようにするためのものなのです。