日照よりも大事な修繕
家の間取りを考えるとき、陽当たりや使い易さに注目しがちですが、家の手入れや修理のし易すさも重要なポイントです。地震や火事を除けば、修理が必要になるのは水関係が大半です。
屋内のつなぎ目の雨漏りをはじめ雨樋とその排水、台所・トイレ・風呂場の給排水も修理が必要になることが多々あります。
特に排水の詰まりと水道の漏れは天候や季節に関わりなく突然起こり、その修理は緊急を要します。
水周り修理の費用と時間
風呂・トイレ・台所など水回りのトラブルは、多くの場合専門の業者に頼むことになります。しかし、夜間や休日などの場合、すぐに、対応してもらえないことも多いので、排水の詰まりなどは自分で点検や修理できると便利です。
上水道は給水間の漏えい場合、水道局指定の業者に依頼するのが普通ですが、修理の費用が間取りによって異なり、数倍も違うことがあります。
これは、給水間の漏洩箇所が地中部分であれば簡単に処理できますが、家屋の床下や壁面内の場合は、床や壁を剥がして工事することになり、その作業や復旧工事には、水道業者以外に、内装工事業者の手を借りることになり、費用もさることながら工事の期間も長くなり、余所への宿泊を余儀なくされるなど生活や仕事にまで影響します。
また、テラスやカーポートの下に水道管や排水管を通すと、修理の際にはコンクリートを割って剥がし、修理後に復旧することになるため、配管はできるだけ目に建物や造作物ない地中を通すようにしましょう。
水回りは壁際がベスト
水回り関係は必ず使用や老朽化により、整備や修理が必要になるので、これらのことを考えると、建物の中央部分は避けて壁際に配置するのが最良です。また、台所の流しや風呂桶や洗面台などの給排水がある設備は、部屋の外壁寄りに配置するとメンテナンスが楽です。
凍結の危険のある寒冷地を除いては、配管を壁内や床内を避けて直接外壁に出すようにすると、より簡単にメンテナンスが行います。
なお、排水管については公共下水道につながる部分の敷地隅に「公共マス」が設置されていますが、下図のように各部屋からの接合部分と曲る部分にもマスを備えておくと自分で点検や清掃ができます。

修理し易い水配管
キッチンでアイランド型のシンクを使う場合は、シンク部分を完全独立させると床下を配管が通ることになりますが、シンクユニットを壁に付けた配置にしておけば、シンクユニットの下部を開けるだけで、すぐに配管を修理できます。皮肉なことに、修理やメンテナンスを考えてある配管はシンプルで曲っている部分が少ないためトラブルが少なく、床下や壁の中を通っている配管ほど複雑で長く屈折部分に点検用口などを設置できないため詰まり易くトラブルが多くなっています。
